毎年恒例の赤松の芽摘みも終盤となりました。
10年以上面倒をみさせてもらっている木に大きな瘤があります。
こぶ病という病気です。こぶより先が枯死してしまいます。
真ん中辺の枝が急激に太くなっているのがお分かりになるでしょうか?
拡大するとこんな感じです。
面白い生活環をもっています。
4月から5月にさび胞子を噴出させます。拡大写真の黄色い部分がそうです。
このさび胞子が感染を拡大させるのですが、6月頃には夏胞子となり、クヌギ、ナラ、カシワ、クリなどの中間宿主に移り夏を越します。
そして冬胞子を形成し9~10月にまた松に戻るのです。
そのため、大事な松の周りから中間宿主となるナラ類をなくせば、こぶ病の伝播がなくなるのです。
胞子の飛散範囲は2kmということなので、ちょっと難しいのですが・・・
9~10月中間宿主から松への移行時期の薬剤散布も有効ですが、羅病してしまった枝は治療が出来ないので切るしかないのですが、ここまで大きくなってしまったものは切ることによる腐朽病害の感染のほうが恐いので様子をみています。
植物やそれにまつわる菌類とのかかわりもとても興味深いものがあります。