今年の春、知人に紹介されて手入れにお伺いした黒松が調子が悪いとのこと。
様子を見に行くとまっ茶色・・・はて?これはどうしたことか??手入れが悪い訳ないし・・・
褐斑葉枯病?それにしてもこの時期に木全体が茶色くなっているので、マツノザイセンチュウの疑いも?という訳でいつもの強面(コワモテ)の樹木医仲間に相談すると、われ等がアニキにも声を掛けてもらって出た診断は?要注意!とのこと。
早速検査機関で調べてもらうと、「白」でした。
検査して分かったことは
葉ふるい病と
マツモグリカイガラ、ハダニに感染しているとのこと。
ではなぜ?ここまで猛威をふるったのか?
担当検査官と問答をしていると、大事なことに気が付きました。
{そういえば、春に手入れに行った際、不自然な枯れ方をしているツツジを見つけて奥さんに聞いたところ、旦那さんが亡くなって手入れをしてくれる人がいないので草取りが大変で除草剤を撒いたということ}
そうです!除草剤の影響です。しかも聞けば粒剤とのこと。
除草剤の種類にも因りますが、松は除草剤に対して感受性が強い。
葉ふるい病は感染力も強いものの、樹勢が弱った木で発生する。
しかも松の近くが駐車場としても使われているため、根系が圧迫されてもともと体力がなかったと思われます。
改めて樹木診断の難しさと、目に見える症状だけにとらわれず、大きな視野にたって見なくてはならないことを勉強させてもらいました。
今後は病気の治療と樹勢回復は別物。時間をかけて治療していきます。