1月12日、松本城石垣保存整備工事の現地説明会に参加してきました。
ケヤキの根の影響で石垣が崩落する恐れがあるため、二の丸御殿跡西側内堀東面のうち南北約35mの範囲を解体・調査・復元修復を5年がかりで行う大きな事業です。
ケヤキは伐採され、内堀に土嚢を積んで、すでに解体調査が行われ、石積みの石はマーキングをして撤去も始まっています。
ケヤキの根に押され、完全に石が抜け落ちて出来た穴も確認出来ます。
調査の結果、この35mの間に江戸時代中期・江戸時代後期・近代(明治~戦前)にかけての3つの異なる時代に手が加えられたと推察出来るとのこと。
石積みの手法、裏込め石の厚さや形状からも明らかな違いが確認出来ました。
出隅部分と裏込石
石垣と裏込石の後ろは版築で強固な背面を作ってあります。
城の石垣でもあるので丁寧な仕事をしてあるのは当然なのかもしれませんが、こうして時代ごとの職人の仕事をこの目で確認出来ることはとても勉強になりました。
発掘調査の結果、瓦・漆喰片、灯明皿、キセルや陶器皿などさまざまな出土品から時代の空気を感じられたのも大きな収穫でした。
今後の工事が楽しみです。