5月16日より、かれこれ10年以上お世話になっているお客様の家に赤松の芽摘みに行き始めています。もともと盆栽をされていらっしゃるので、植木の仕立て方にも造詣の深い方です。
近頃は芽摘みをさせていただけることは珍しくもなって来ているので、技術を継承していくためにも非常にありがたいです。
芽摘みは松の姿を美しくするために行われる作業で、信州では五月の連休明け1週間から5月末までの限られた期間しか出来ません。
なにしろ、時間が経つほど芽が硬くなってしまうため、指で簡単に折れなくなってしまうのです。
ハサミで切ると目の先の色が茶色くなってしまうのです。
春先に伸びた新芽を、高さをそろえ、折ったところからまた新しい新芽を吹き直させ枝数を多くし
また秋に葉むしり手入れすることでふわーっとやわらかい仕上がりの松になります。
しかし、昔の人は植物の特徴を生かし、このような手入れの方法を編み出すということは本当にすごいことだと、改めて感心しました。
面白いのが、毎年同じ木に登っているのに、「あれ~なんでこんな枝を残してあるんだろう?」
と気づくことです。そのたびに自分の成長も感じられる嬉しい瞬間です。
風水的にも松はその家の主人を表すとも言われ、手入れの行き届いた赤松の美しさはなんとも言えない魅力があります。
最近はお金がかかるので、松を切ってくださいという依頼もありますが、松に限らずどんな木も
家族と共にその家の成長を見守っていてくれていますので、なんとか残せる方法をお客様と一緒に考えていきたいと常々考えています。