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2009年 04月 07日

祇園枝垂れ

今年は早いかと思っていた桜の開花も3月の寒の戻りで平年並みになり、昨日、松本城の周りの桜が
開花宣言となりました。我が家の近くの公園に立派なソメイヨシノがあります。
ノビノビと枝を広げている姿にほれぼれする僕の好きな桜の1本です。
祇園枝垂れ_c0112447_20212896.jpg


今日は気になって仕方がない桜の様子を見に行ってきました。
枝垂れ桜をどうしても植えたかったお客様が、私の師匠 佐野 籐右衛門氏から「祇園枝垂れ」と呼ばれる、京都円山公園の兄弟桜を譲り受け、数年前、京都から運ばれて来た桜を私が植えたものです。
あいにく開花はしていませんでしたが、ぽってりと膨らんだ蕾がとても可愛かったです。
祇園枝垂れ_c0112447_20273480.jpg


現在の京都円山公園の祇園枝垂れ桜は先代の15代 佐野 籐右衛門氏がこれまた
先代の祇園枝垂れの種を撒き、育てた桜が戦後4本だけ残りました。
そして昭和22年、先代の祇園枝垂れが弱って枯れてしまったことを、京都市民が京の名桜が枯れたことを嘆く市民が多かったことから寄付した桜です。

「円山の桜に別れをしむべく、ほのぼの伽藍のかおりぞ残る」と吉井 勇という歌人が歌に詠んだほどだったそうです。

4本のうち3本は円山公園、安養寺、藤の棚の料亭前に植えられ
残り1本を息子である当代のために家に植えたそうです。
安養寺と藤の棚の料亭に植えられた桜は1本は枯れ、1本は火事で焼け、佐野家に植えられた祇園枝垂れは先代が亡くなって1ヶ月後殉死といえるほどにあっという間に後を追って枯れたそうです。
そして、残った1本が現在の祇園枝垂れなのです。
祇園枝垂れ_c0112447_20472641.jpg


京都での修行を終え、3本の祇園枝垂れを分けていただき松本に持ち帰り、2本をどうしても欲しいというお客様のところに嫁がせ1本は手元に置いて育てていたのですが、事情があり今はありません。
ですから現在松本平に祇園枝垂れの子孫は3本あります。
そのうちの1本が今日様子を見てきた桜なのです。

籐右衛門氏から依頼を受け、お客様に嫁いだ桜。枯らすわけにはいきません。

4月13日(月)NHKで14:00から15:00まで「こころの時代~宗教・人生」という番組に
佐野 籐右衛門氏が出演されます。よろしければ録画してご覧ください。

by sanrakugarden | 2009-04-07 20:55 | 植物について | Comments(0)


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