本を読んでいて、急に懐かしく思い出しました。
高校を卒業して平成3年から平成8年の5年間、庭師の修行のため、京都、植藤造園の佐野 藤右ェ門 氏のところで住み込みで勉強をさせていただいていました。
あれから12年も経ちます。
時々京都を訪れた際には、ご挨拶に伺うのですが、いまだにお顔を見るのも恐くて、目を見て離すのが困難なくらい、修行時代は厳しく育てていただきました。
ある大きな仕事を任され、毎朝仕事の指示を聞きに行っていた僕は、毎朝吐き気に襲われていたほどです。何回も田舎に帰れと怒鳴られたものでした。
その時、「お前は両親のお陰でここまで順調に来れたかも知れんが、そんなに世の中甘くはない!!俺が壁になってやるさかい、乗り越えてみぃ」ということを言われました。
それからも厳しい日々は続いたのですが、京都での修行を終えて帰る日に「もうお前は大丈夫や!がんばれ!」と言われ涙が溢れてきました。
自分の原点がここにあり、今もあそこからの1歩が繋がっていることを思うと、人間の営みとはすべてが線で繋がり今が未来を作ることを改めて確認します。
今ここにある自分を、佐野 藤右ェ門 氏に心から感謝します。
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