2018年 07月 25日
酷な毎日が続いています。昨日は午後から軽い熱中症になってしまったようで、頭痛とだるさがおさまりませんでした。 今日は急遽予定を変更させていただいて、久しぶりに溜まった事務仕事や図面作成、することにしました。 最近頻繁に相談を受ける症状がこちらです。 植物の調子悪い、葉の色がおかしいから見て欲しいとのことでお伺いすると、病気や虫の被害ではありえない症状が葉に現れています。 周りの状態・木々の症状を確認して、除草剤を撒かれたことはありませんか?とお尋ねすると、顆粒の除草剤を撒いたというお答え。 「離れてたところに撒いたからまさかこんなことになるとは!」 と知らずに撒かれることがほとんどです。 特に顆粒(粒剤)の除草剤は土に浸透して処理層を形成するため、そこに生えている植物に全て影響してきます。 樹木の根は大きい木になると根元から10mも20mも先まで根を伸ばしていることがあります。 感受性の弱い・強いもありますが、ある除草剤は調べたところによると栄養分を作り出す光合成を阻害するそうです。 そして撒いてしまった除草剤を中和する薬はありません。 水に洗い流され、微生物や紫外線によって分解されるのを待つ他ないのです。 下の写真は私が管理している除草剤を使用していない畑の草と、除草剤で管理している隣の畑の写真です。 死んだ土に耐えられるわずかな種類の草が生えるだけです。 確かに草を管理していくことは大変なことです。自然の営みは時に容赦がないこともあります。 しかし、畑の畔で無残に枯れた草の姿は耐え難い気持ちになります。 ▲
by sanrakugarden
| 2018-07-25 09:55
| 樹木医
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2018年 04月 25日
3月21日のお彼岸に降った大雪。湿って重い雪は雪かきも大変でした。 雪かきのお手伝いに伺った百瀬家庭園のシンボルの大赤松がなんと!!! 数十年前に塀を作った際に太い根を切ったこと、隣に出ないように育ててきたことで片枝になっていたこと、この春剪定する予定で枝葉が茂っていたこと、などが原因と思われます。 普通であったら切られてしまうこのご時世ですが、ご当主、ご姉妹の決断で残していただくことになりました。 奇しくも前述した泉龍寺の伐採の1週間前です。 出来るだけ費用をかけず、木を起こして、支柱をするために、伐採した杉を使わせていただくことになりました。 ![]() ▲
by sanrakugarden
| 2018-04-25 08:15
| 樹木医
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2018年 03月 21日
樹木診断のご相談をいただいたのは2015年11月。 樹齢200年の赤松です。 ![]() 調子を崩して、枝のあちらこちらが茶色くなってきていました。 周辺に広がる松枯れを心配して、松本市の耕地林務課によるクイムシの検査もしていただいていましたが、結果は陰性でした。 庭木手入れの強剪定による樹勢の衰退が原因と判断しました。 翌2016年の6月、枯れ枝の落下を防ぐため、枯れ枝の枝下ろし。 あれから約3年。弱った木がマツクイムシの被害にあわないように、薬剤の散布をさせていただいたり、お任せいただいた庭木の手入れをしながら様子をずっと見てきました。 昨年の秋には緑色の葉が少なくなり、この冬生命を全うしました。 生命を全うしたと言い切るには、人為的な弊害があって樹勢を弱らせたこと、自分も関わりながら諸々の事情や決断もあって十分な治療を施さなかったこと、もっとやれることがあったのではという後悔もあって、素直に受け入れない自分もいます。 樹木の最後に立ち会うことが多い私たちですが、いつもやれることをやりきれていないことに苦しさを覚えます。 直接、診断や治療に携わる私たちがこんな想いを抱えるのですから、樹木の健康を願いながら、毎日様子を見て手を施すことの出来ないお施主さんにとってはもっとやりきれない日々だったと想像します。 先祖から受け継ぎ、守ることを託され、子供の頃から当たり前のようにそこにいたのですから。 最後に立ち会うため、お施主さんもご夫婦でご都合合わせていただき、この木に捧げる詩(うた)をよんでいただきました。 ![]() お別れするまでに心を整理する時間をもらえたということは幸せです。 別れの季節でもある3月。 ふとあの詩が思い浮かびます。 暮れなずむ町の 光と影の中 去りゆくあなたへ 贈る言葉 悲しみこらえて 微笑むよりも 涙かれるまで 泣くほうがいい 人は悲しみが 多いほど 人には優しく できるのだから さよならだけでは さびしすぎるから 愛するあなたへ 贈る言葉 ▲
by sanrakugarden
| 2018-03-21 17:32
| 樹木医
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2017年 04月 08日
4月7日、8日と長野県樹木医会主催「松の菌根菌治療の現場報告と治療の実際」という講習会に参加してきました。 講師は大阪工業大学客員教授で菌類と植物の共生関係の研究では第一人者の小川 眞先生と元樹木医会京都支部支部長で天橋立のマツ樹勢回復にご尽力されてきた伊藤 武先生です。 樹木医先輩諸氏、研究者、研究所など、多くの方のご尽力により講習会が開催されていることに感謝しました。 先輩諸氏がおしみなく培って来られた技術や知識を後輩に伝授される姿に感銘を受けました。 受け継いだ技術を更に発展させていきたいと思います。 ▲
by sanrakugarden
| 2017-04-08 22:48
| 樹木医
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2017年 01月 30日
1月28日土曜日、長野市で行われた長野県弁護士会主催 環境シンポジウム「農薬と健康被害を考える」〜子供の健やかな発達のために〜に参加してきました。 ![]() 消毒・農薬に頼らずに虫害や病気から樹木を守るということは、自然の中の植物ならいざ知らず、人が管理しなければ維持することが出来ない庭園樹では至難のわざです。毎日の業務として行っていてその難しさは痛感しています。 しかしこの農薬の恐ろしさを知ってしまうと、使い続けていくことは出来ません。 浸透性で洗い流すことが出来ず果物・野菜の内部へ浸透。 昆虫や人の神経伝達を撹乱する。 様々な住宅建材に使用されている。 市販の殺虫剤に多用されている。 残効性が高い。 特に子供への病気や障害を引き起こす 小さなお子さんを持つお父さん・お母さん。 虫が嫌いで殺虫剤を家の内外で使われるお母さん。 ガーデニングや家庭菜園で消毒をされる愛好家の皆さん。 消毒することを日常の業務にされている庭師さん・樹木医さん。 家族の安全を守るための家を建てる設計士さん・大工さん。 今からでも出来ることはたくさんあります。 少しでも関心を持っていただいたらご覧になってみてください。 ▲
by sanrakugarden
| 2017-01-30 18:50
| 樹木医
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2017年 01月 27日
こんな寒い時期ですが、症状が進む虫害があります。 樹木にとって最も被害の大きいテッポウムシ(カミキリムシの幼虫です) 昨年初夏から盛夏に樹皮に傷をつけて産み付けられた卵から孵化した幼虫が樹体内を食い荒らします。 形成層を食害された樹木は通道を阻害されて枯死することも珍しくありません。 木材の断熱性能はかなりの性能とのこと。 木屑の出かたを見ると冬でも食い荒らしているようです。 幼虫は5月中旬くらいに蛹になるまで食害を続けますが、秋から冬にかけて草花が枯れて木屑が排出されているか? 根元が確認しやすいこの時期は駆除のチャンスです。 また、少しでも幼虫が小さいうちならば、食害による被害も少ないため、少しでも発見が早いと木が助かる可能性が高まります。 ダンボールや金網を根元に巻いたり、効果の長い殺虫剤を根元に散布して予防、防虫をしたりいろいろ試しましたが 一番効果があるのが、木屑が出ている木の排出口を見つけ、スプレーをすることです。 スプレーして見てください。 対応が難しい場合はお声をかけていただければ、処置にお伺いいたします。 早めの対応が大事です。 どうぞよろしくお願いします。 ▲
by sanrakugarden
| 2017-01-27 17:11
| 樹木医
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2016年 12月 01日
八ヶ岳の麓、原村でカラマツとシラカバの伐採です。 南側に生えるカラマツを伐採して日照を確保した上で、念願の枝垂れ桜を植える計画です。 こちらも予算節約のためクレーン車なしでの施工。建物の上に倒さないように慎重に 来週残りの伐採と日照の確保が出来た敷地に京都から届く枝垂れ桜の植栽をします。 天気に恵まれますように。 ▲
by sanrakugarden
| 2016-12-01 13:17
| 樹木医
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2016年 09月 24日
倒木の恐れのあるエンジュの大木。 大事がなかった。それだけが救いです。 木を植える時の未来を想っての仕事とは違い、いつもこれでよかったのか?と問いかけることになります。 この経験から学んだことを次の仕事に生かしていこう。 ▲
by sanrakugarden
| 2016-09-24 18:53
| 樹木医
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2016年 09月 23日
松本市内某所。 降り続く雨の中、エンジュの大木が傾いているというご相談を受けて、危険木判定に伺いました。 80代のおじいさんが物心つく頃にはすでに大木だったとのことです。 風が吹いたり、これ以上もたれかかると、いつ建物が壊れてもおかしくありません。 急遽段取りをとって伐採することになりました。 各方面の予定をなんとか調整しても伐採は早くても明日24日の午後。 そこでワイヤーを張ってこれ以上倒れないための緊急措置をとってあります。 明日の伐採まで大きな事故になりませんように。 ▲
by sanrakugarden
| 2016-09-23 18:02
| 樹木医
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2016年 06月 23日
毎年毎年、広がってしまっている松食い虫の被害。 市街地近くの里山でも、緑色の山肌の中にぽつぽつと茶色く枯れてしまった松の木が目立ちます。 松本市ではこの4月より新しく、松くい虫の被害防除の補助金制度が受けられるようになったようです。 貴重な松を守るため、被害防除の施術費用の一部を補助してもらえる制度です。 松くい虫とは、マツノザイセンチュウと呼ばれる小さな線虫が引き起こす、松の伝染病のこと。 マツノザイセンチュウ(線虫)は、自分自身では木から木へと移動ができませんが、健全なマツの枝の樹皮を食べるマツノマダラカマキリ(カミキリムシ)の体内に入り、新たな松の樹体内へと移動します。 樹体内に侵入したマツノザイセンチュウは松のヤニを運ぶ樹脂道を移動しながら爆発的な増殖を果たし、水を運ぶ仮導管に障害をもたらすため根から吸い上げる水が葉に供給するのを妨げ水不足となり枯死する病気です。 この松枯れを予防したり、被害を拡大させないようにするためには、樹間注入や伐倒駆除といった少し特殊な施術が必要となってしまいます。 長い年月、手をかけて大切に育てられてきた松がお庭に植わっていらっしゃしゃる方も多いと思います。大きく立派な松の木が、茶色くなってしまうのは本当に悲しいものです。 庭の松の木の様子がおかしいけれど、どうしたらいいかわからない。 大切な松が枯れないように見て欲しい。 そんな松のお悩みがありましたら、 松保護士がお伺いし、樹木を診断・施術いたします。お気軽にご相談ください。 また、松本市では、市指定の保存樹にも補助が始まるようです。 長い年月を生きている立派な保存樹は、その大きさゆえに枯葉や枝張りなど、管理にもお悩みや維持費など、お困りのことも多いことだと思います。 神社や歴史的な建造物などでも出会いますが、長い間世界を見てきた大きな木というのは、安らぎを感じたり、気持ちを落ち着かせてくれたり、とても力をくれるものだと思います。 そんな場所がこれからも変わらず、町の中にあればいいなと思います。 木はたとえ一本植えるだけでも、一本無くなるだけでも、その場の雰囲気をがらっと変える不思議な力を持っています。 そんな身近にある木を守ろうという動きがとても嬉しく感じます。 ぜひこの機会に、お庭にある木の様子を見てあげてください。 もしかしたら、小さな花を咲かせているかもしてません。 松本市 松くい虫被害防除事業補助金について https://www.city.matsumoto.nagano.jp/kurasi/sigoto/ringyo/osirase/matukuimusi-higai-bojyo.html 三村 ▲
by sanrakugarden
| 2016-06-23 18:39
| 樹木医
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